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富山大学
学長任命のスマート・ポリネーター制度 音声読み上げ


富山大学は、2018年度に「都市デザイン学部」を新設し、人文・人間発達科学・経済・理・工・医・薬・芸術文化と合わせ全9学部となりました。附属病院や和漢医薬学総合研究所などの教育・研究施設も備え、学生数9,100名余、教職員数2,200名余(うち病院職員約900名)が集う国立の総合大学です。

2015年度に文部科学省の補助金事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」に採択され、本年(2019年)その5年目を迎えたところです。「意識を変える」「組織を変える」「環境を変える」を3つの柱として活動を行っています。

女性教員数とその比率は、全教員854名のうち女性157名で、女性教員比率は18.4%となります(2019年5月時点)。 女性教員比率を25%まで引き上げることを目標にしていますが、なかなか厳しい状況にあります。とりわけ理工系の分野において、女性教員数が伸び悩んでいます。

その根本的原因は言うまでもなく、我が国において理工系の女性研究者数が絶対的に少ないことです。そのため、本学では短期的な対応策の他、中長期的視点に立って、いわゆる「リケジョ」育成にも力を注ぐことが不可欠と考えました。そして2018年度に、学部生やさらにもっと年下の中高生を対象にした理系女子の裾野拡大イベントを企画運営する理系女子大学院生チームを「スマート*・ポリネーター」と名付け、学長任命する制度を立ち上げました。(*スマート=SMART:Support Model for the Advancement of Female Researchers in Toyama)

スマート・ポリネーターたちは、学部の女子学生や女子中高生を主な対象に、身近なロールモデルとして、科学の魅力・研究の面白さを伝えることにより、次世代育成をねらう啓発活動を行います。このような活動を通して、スマート・ポリネーター自身の方も、次世代を担う女性研究者として研究に従事する使命・責任感を自覚し、プロフェッショナル意識を高め、自身のキャリアプランを意識することになります。

昨年度の第1回スマート・ポリネーター公募には4名の応募があり4名が任命されました。第2回となった本年度(2019年度)は前回の3倍ほどの11名の応募があり、去る7月1日に学長からスマート・ポリネーターの任命を受けました。

理工系の分野で女性が活躍するのは日本ではまだまだ困難が多い状況ですが、本学のポリネーターたちが、スマートな花粉――理工系分野でも女性も活躍するぞという花粉――を雌しべである、後輩の学部学生、さらにもっと年下の高校生や中学生たちにせっせと届けて、受粉が成功し、理系女子の裾野が拡大していくことを期待しています。

ハッピー・キャリア・ミーティング後の
スマート・ポリネーター第1期生
(2018年秋)
スマート・ポリネーター学長任命式
(2019年7月1日)

【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
  戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
  取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
  成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
  双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
  説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている


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