東北大学
小・中学生や高校生に対して科学の魅力を伝えつつ次世代の女性研究者を育成
[東北大学サイエンス・エンジェル] 音声読み上げ

東北大学サイエンスエンジェル
東北大学サイエンス・エンジェル(SA)は次世代の女性研究者を育成することを目的として、自然科学系の10部局に所属する女子大学院生によって平成18年度より行われている活動です。年度毎に学内で公募され、総長に任命されます。宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体の仕組みなど、それぞれの専門分野の研究を行うかたわら、小・中・高校生に対して科学の魅力を伝えつつ身近な女性研究者のロールモデルとしてセミナーやイベントに参加し、科学の魅力・研究のおもしろさを伝えています。また、男女共同参画に関わるシンポジウムやスキルアップ研修への出席などを通じて、サイエンス・エンジェル自身の使命感を喚起するとともに、女性研究者としての意識醸成を行っています。
なお、東北大学サイエンス・エンジェルの活動をもとに、各地で女子大学院生による次世代女性研究者育成の取り組みが発足しており、大阪府立大学理系女子大学院生チームIRISの地域における理系進路支援の取り組みが、第5回澤柳正太郎記念男女共同参画賞B賞(奨励賞)として表彰されました。
目的
- 小・中学生や高校生に対して科学の魅力を伝えつつ、身近なロールモデルとなることを通して次世代の研究者を育成
- 自然科学の研究に従事する使命感・責任感の醸成と、研究者の卵としてのスキルアップ
- 世代や分野を超えた女子学生・女性研究者ネットワークの構築
過去5年間のSA採用状況
- 平成26年度 71名(修士62名、博士 9名)
- 平成27年度 90名(修士72名、博士18名)
- 平成28年度 61名(修士51名、博士10名)
- 平成29年度 69名(修士58名、博士11名)
- 平成30年度 60名(修士53名、博士 7名)
出張セミナー・大学訪問
- SA出張セミナー・秋田県立秋田高等学校「東北大出前講義」(2018年6月20日、担当SA1名、高校1年生から3年生125名対象)
- 大学訪問対応・山形県立山形東高等学校(2018年8月28日、担当SA8名、高校生 270名対象)
- 大学訪問対応・山形県立山形西高等学校(2018年11月10日、担当SA5名、高校1年生20名)
- SA出張セミナー・宮城県立宮城第一高等学校「ミヤイチ☆キャンパスⅠ」(2018年11月15日、担当SA9名、高校1年生80名)
- 大学訪問対応・山形県立山形東高等学校(2018年12月25日、担当SA9名、高校1年生49名) このほか、母校への出張セミナーなどを実施

参加者の声
たくさんのサイエンス・エンジェルの方から色々なお話を聞けてよかった。これからの学習や大学決定に関する話はとても参考になった。自分が学びたいことをしっかりと調べ、選択していきたいと思った。
参加SAの声
高校生に科学への興味を持ってもらえたようでやりがいを感じられた。他の研究室やSAの研究内容も興味深く他分野の研究に触れられるよい機会でした。
科学イベント
MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生と東北大学サイエンス・エンジェルによる科学体験プログラム(2018年7月21日、担当SA9名、MIT学生5名、小学4年生から6年生27名)このほか夏休みの科学イベント等に多数参画

参加者の声
- 色々なことがわかってよかった。アルゴリズムがわかってよかった。
- たくさんの外国の人と話せてよかった。
- エンジェルの方々がとても優しく、もっと話したいと思った。
参加SAの声
今回の活動では、まず周りをよく見てその場で何が必要とされているかをよく考えることが大切だということを学んだ。慣れていないことをするときは視野が狭くなりがちだが、そんな時こそ意識的に視野を広く持つことが、チームでの活動には不可欠だと感じた。このことは、普段の研究活動にも活かせると思うので、これから心がけていきたい。
連載・コラボレーション記事執筆
- 「日経カレッジカフェ」におけるSA活動紹介記事の執筆(2017年~)
- NatureダイジェストWebにおける掲載記事に対する座談会記事の定期掲載(2017年~)
SAOGは国内外で活躍しています
- 大学・研究所・官公庁など
- 東北大学、九州大学、大阪大学、佐賀大学、国連大学、東京医科歯科大学、文部科学省、農林水産省、国土地理院、医薬品医療機器総合機構、日本原子力研究開発機構、国立極地研究所、科学捜査研究所、産業技術総合研究所、シカゴ大学(アメリカ)、IGB-Berlin(ドイツ)、ルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)、高等専門学校教員、高校教員など
- 民間企業など
- 製薬、食品、自動車、化粧品、医療機器、化学、繊維メーカーなど、国内外多数の企業に就職
【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
A 戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
★B トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
★C 取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
D 成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
★E 双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
F 説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている