北見工業大学
北見工業大学における女性研究者支援の取組について 音声読み上げ
工学系単科大学に真に必要な女性研究者支援を日々模索しています!
北見工業大学におけるダイバーシティ
北見工業大学は、日本最北に立地する工学系の国立大学として、「自然と調和するテクノロジーの発展」をキーワードに、様々な産業分野で活躍できる工学系技術人材の輩出を行ってきました。
北見工業大学では、北海道の地方都市に立地する地理的特性、工学系単科大学という専門分野の特性もあり、設立当初から、学生、教員共に女性の比率が低い状況が続いてきました。しかし、情報化、グローバル化などの大きな社会変革期にある中で、教育研究にも様々な立場からの視点や考えを取り入れていく必要性があることから、女性研究者や若手研究者が生き生きと活躍できるダイバーシティに富んだ大学を目指し、様々な数値目標や行動計画を策定し、必要な支援に取り組んでいます。
女性研究者支援(ダイバーシティ)に関連する数値目標
- 2021年度までに女性教員が全教員の10%程度になるよう積極的に採用
- 2021年度までに役員及び管理職における女性比率が16.7%になるよう登用を推進
- 2021年度までに若手教員が全教員の30%程度になるよう積極的に採用
女性研究者活躍の場の拡大を目指して
北見工業大学では、上記目標を着実に達成するため、「第3期中期目標期間の教員人事計画」を策定し、女性教員及び若手教員の積極的な採用に、全学的に取り組んでいます。
教員公募においては、教育、研究、国際交流、地域貢献等の業績及び人物の評価が同等な場合には、女性を優先して採用することとしており、また公募を行う専門分野によっては、女性限定の公募も行っています。
これらの方策により、直近では、平成27年度に2名、平成28年度に1名、平成29年度に3名の女性教員の採用を行っています。

若手女性研究者の活躍
平成29年度には、情報関連分野との連携をより推進し、各工学専門分野の特徴を活かしつつ情報教育研究を強化する目的で、情報工学を活用する7つの専門分野の公募を行いました。同公募では、女性及び若手教員の積極的な採用を推進することにより、女性研究者が少ない工学系分野の中でも、化学情報工学、経営システム工学の2分野で若手の女性研究者を採用することができました。
両名については、学内の異なる研究分野の教員と積極的に共同研究を推進する等、活躍いただいており、今後の北見工業大学の女性教員のロールモデルとなるよう、更なる活躍を期待しています

経営システム工学分野 于 亜婷(ウ アテイ) 特任助教

化学情報工学分野 近藤 寛子 特任助教
評価の面でも女性を中心としたライフイベントを考慮します!
北見工業大学では、女性を中心としたライフイベント等、特別な配慮が必要な事情が生じた場合には、教員評価においても一定の配慮を行えるよう制度改正を行いました。こうした取組についても、女性教員の優先採用と併せて積極的にピーアールし、「女性研究者が安心して働ける大学」であることを理解いただくとともに確実に実現していきたいと思います。
また、平成30年度からは全国ダイバーシティネットワーク組織北海道ブロックに参画しましたので、全国の参画機関のグッドプラクティスを参考とし、北見工業大学に真に必要な女性研究者支援に引き続き取り組んでいきたいと思います。
平成31年度教員評価制度改正事項(一部)
「妊娠、出産、育児、介護等のライフイベントに係る特別な事情」及び「外国人教員が日本語や日本文化に適応するまでの期間(最長採用3年目まで)」など、特別な配慮を必要とする場合は、自己申告書を提出することにより、総合点によらず、各事情を考慮して総合ランクを決定することができることとする
- 通常は職層毎の教育、研究、学務貢献、社会貢献の評価値の総合点に基づき総合ランクを決定
- 総合ランクに基づき、教員の昇給、賞与、教育研究費配分額を決定


【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
A 戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
B トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
★C 取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
D 成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
★E 双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
F 説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている